Skip to content

本記事はBEAMの許可を得て翻訳・公開しています。

原文:A Short History of Mimblewimble: From Hogwarts to Mobile Wallets

Mimblewimbleの短い歴史:ホグワーツからモバイルウォレットへ

「Mimblewimble, これで敵が正しく呪文を唱えられなくなる」 - ギルデロイ・ロックハート

Image ハリー・ポッターと秘密の部屋 - ワーナー・ブラザース

Mimblewimble. Mim-bull-wim-bull.こんなバカげた単語がクリプトワールドにおいて進行しつつある革命の基礎を表すなんて、何かの冗談だとお思いでしょう。暗号愛好家、ビットコインマキシマリスト、プライバシー擁護者にとって、Mimblewimbleは、2年も経たないうちに、クリプト界隈で最もよく守られている秘密の一つとなりました。では、その背後にある物語は何でしょうか。そもそもハリーポッターと何の関係があるのでしょうか。そしてMimblewimbleが暗号分野で最も有望なプロトコルの1つといわれるのは何故なのでしょうか。魔法の世界と暗号学の仮想宇宙の旅を始めましょう。

Image

ウィンガーディアン・レヴィオーサ - ハリーポッター - ワーナー・ブラザーズ

Mimblewimble大作戦 - ハリーポッターからIRCへ

Image

不死鳥の騎士団本部 - IRCのロゴ

登場1 - この呪文の初登場は、傑作ハリーポッターシリーズの第二話でした。 舌も指ももつれるようなこの呪文Mimblewimbleはデュエリング・クラブのシーンで、ホグワーツで闇の魔術に対する防衛術を教えていた教授ギルデロイ・ロックハートによって使用されました。ギルデロイは、侵入してくるバジリスクから身を守れるような術を生徒に教えることを望んでいました。

登場2 - シリーズの後半で、アラスター・マッド・アイ・ムーディは不死鳥の騎士団を護るためにこの呪文を使いました。「マッド・アイ」はセブルス・スネイプが不死鳥の騎士団の本部の場所を名前を呼んではいけないあの人に漏らすことを防ぐためにMimblewimbleの呪文を使いました。Mimblewimbleは、スネイプを締め出し、且つ彼が本部の場所を漏らそうとした場合には彼の舌を拘束することの両方を目的としていました。

登場3 - 死喰い人から逃げた後、騎士団の本部で隠れ家を見つけたとき、ハリー。ポッター、ハーマイオニー・グレンジャー、およびロン・ウィーズリーはこの呪文の影響を受けました。冷たい空気がヒューと彼らの体を取り巻くと、彼らの舌が凍り、彼らは話せなくなったのです。

Mimblewimbleは各人の舌を拘束して特定の話題について話すのを防ぎます。

最高のプライバシーです。

登場4 - ようやく、Mimblewimbleの舞台がフィクションから現実へと移行しつつあります。Mimblewimbleのフィクションではない起源は、2016年8月にIRCチャンネルの#bitcoin-wizardsに遡ります。Tom Elvis Jedusor(彼のIRCIDはmajorplayerでした)という名前の個人が姿を見せました。ちなみに、JedusorはVoldemortのフランス語のアナグラムです。なぜかフランス語です。ビットコインと同じように、この人物も匿名で世界を変えるプロトコルを世に生み出しました。しかし今回は、仮名はハリー・ポッターの世界から取られたものであり、プロトコルの目的までをも明確に示していました。これが私たちがMimblewimbleプロトコルについて知るようになったノンフィクションの経緯なのです。

残るは歴史です。「歴史は伝説になり、伝説は神話になった」トールキンはそう言っています。

Image ロード・オブ・ザ・リング

Mimblewimble - IRCからRLへ

Image アンドリュー・ポエルストラ

Jedusorが行ったのはTorブラウザでしかアクセスできない.onionのリンクを残したのみでしたが、アンドリュー・ポエルストラは、主にフランスのヴォルデモート卿が書いたことを理解するために、Bryan Bishop(BEAMのAdvisor)といくつかのsub_redditsにマニフェストを再投稿した彼の友人の助けを借りて、Jedusorが残したフランス語と英語がごちゃ混ぜになったドキュメントを再度まとめました。

2016年10月、アンドリュー・ポエルストラはついにMimblewimbleを分析し、一般人でも理解できるように、Mimblewimbleの背後にある考え方と概念をまとめた自身のポジションペーパーに、Mimblewimbleの全体的なビジョンを要約する形でまとめました。

2016年11月中旬、ハリー・ポッターの世界から別のキャラクターが、Ignotus Peverell(イグノタス・ペベレル=不可視マントを発明した魔法使い)の名前で、同じIRCチャンネルに現れました。彼が残したものはシンプルなものでした。それはMimblewimbleの実装です。彼はMimblewimbleの最初の実装を行ったのです。そして彼はGithubへのリンクをそのチャンネルに投稿しました。

Image ハリー・ポッターのイグノタス・ペベレル - ワーナー・ブラザーズ

しかし物語はここでは終わりません。

これがGrinが誕生した背景です。

2017年1月、ポエルストラは、スタンフォード大学のBlockchain Protocol Analysis and Security Engineering 2017のカンファレンスで、Mimblewimbleについて注目に値するプレゼンテーションを行いました。

2017年3月には、ペベレルはGithubにMimblewimbleとGrinの技術紹介を投稿しました。

Mimblewimbleとその実装

Image GrinとBeam

上述のように GrinはMimblewimbleを最初に実装しました 。コミュニティベースのプロジェクトであるGrinは2017年11月にペベレルの初登場から約1年後にテストネットを公開しました。

2018年3月にはGrinのテストネット2がリリースされ、Mimblewimbleの新しい解釈を提供する新プロジェクトがクリプト界隈に登場しました。それがBEAMです。

BEAMのProof of Concept(完全に機能するマイニングノードとコマンドラインウォレットを含む)は、そのポジションペーパーとともに2018年6月にリリースされました。

2018年9月、Grinは開発速度の向上と継続性の確保を目的にコミュニティから約4万ドルを調達しました。

同時期に、BEAMはテストネットをリリースし、コードの公開とデスクトップウォレットの配布も行いました。

Mimblewimble - 無限の彼方へ

Image トイストーリー - ピクサー

2年以内に(クリプトの世界では永遠に感じられますが)、Mimblewimbleのエレガントで独創的なアプローチは、暗号学的に洗練されたアプローチで、プライバシー、スケーラビリティ、およびファンジビリティを解決することで、シリアスなクリプトファンの心を捉え、且つ自身の領域を確保しました。

2つのプロジェクトが現在、Jedusorのビジョンに対するそれぞれの解釈を表現していますが、このような状況は素晴らしく健康的といえるでしょう。Grinは、具体的な結果をできるだけ早く提供するために、優秀なコミュニティによって開発が続けられるでしょう。一方、BEAMは2018年12月にMainnetをリリースする予定です(※2019年1月の予定)。このリリースにはモバイルウォレット、ビットコインとのアトミックスワップ、監査可能なトランザクション機能などが含まれます。その後、コミュニティによってコインとその未来を統治するためにファウンデーションが設立される予定です。


これはほんの始まりに過ぎません。匿名の開発者に手によって生み出されたビットコインが何千ものアルトコインを生み出し、Ethereumのようなプログラム可能なブロックチェーンの開発に影響を与えたのと同じように、時間が経つにつれて、Mimblewimbleでも同じことが起こるだろう私たちは予想しています。Mimblewimbleは、冗談みたいな単語かもしれませんが、先述の通りクリプトワールドの舌を束縛し、言葉も出ないような状況を作り出しています。

参考

コメント